子どもたちにはお金の使い方を覚えてほしいと思っています。しかし、学校ではお金については教えてくれません。
そうなると、家庭で子どもたちにお金について教えないといけませんが、どうやって教えればいいのかわからないのでは?
今回は、どのようにお金について教えればいいのか紹介します。
金銭教育とは
金銭教育とはお金に関する教育のことです。お金の働きを理解し、それらを通じて自分の暮らしや社会について考えることで、より豊かな生活にするために主体的に行動するための教育を指します。
金銭教育で教えることは幅広いのですが、子どもにはお金とはどういうものか、おこづかいの使い方といったことを教えるものです。
また、キャッシュレスやポイント還元など、大人でもわかりづらいことが多くなっています。
現金のやり取りだけではなくスマホやICカードにチャージされたお金を使う機会が増えると、金銭感覚が狂ってしまうこともあるでしょう。
素直に親のいうことを聞いてくれるうちに、金銭教育を取り入れてみてください。
金銭教育が必要な理由
私たちの身の回りでは、毎日のように新製品が発売されています。
スーパー、コンビニへ行けばお菓子や食べ物が買えますし、家電量販店ではゲームやスマホが手に入ります。
そのような環境にいると、欲しいものをすぐに買ってしまいます。
親がガマンするようにいっても、おじいちゃんやおばあちゃんが買ってしまうこともあるでしょう。
すごくありがたいのですが、子どもがお金を稼げる年齢になったら、自分の収入でやりくりしなければなりません。
そんな時に、欲しいものをガマンしないと困るのは本人です。
お金がないといったお母さんに「お金はATMからでてくるよ」といったお子さんの話があります。
これは珍しい話ではなく、どこの家庭でもありえる話です。お金は機械からでてくるもので、労働による対価であるという大切なことを感じられなくなります。
このようなお金の概念がわからないと、親への感謝もわきません。そして、働いて得られるお金も大事に使おうという意識は育ちにくくなります。
金銭教育の方法
お買い物ごっこ
最初はお買い物ごっこから始めましょう。おもちゃや洋服に値段をつけて、お店屋さん役とお客さん役に分かれて交代しながら遊びます。
決められた値段で商品が買えること、お金を多く払うとおつりがでることを、遊びながら理解できるようになるでしょう。
本物のお金ではなく、おはじきを使うと数字が読めない子どもでも楽しめます。お金を使う場合、1円玉であれば計算もしやすいのでわかりやすいですね。
お買い物ごっこになれてきたら、お金や値段のバリエーションを増やすといいでしょう。
お買い物でお金を意識させる
スーパーへ買い物に出かけたら、会話を通して金銭教育をしてみましょう。
同じ商品でもメーカーやお店によって値段が違いますし、割引になっている商品は少し安くなっています。
今、いくら持っているからこれではなく、あれにしようと子どもに話しかけることで、お金を意識し考えるようになるのです。
会話を通じて、欲しいものと必要なものは違うと理解できるので、金銭感覚を身につけられるでしょう。
おこづかいを金銭教育に
自分でお金をやりくりすることを覚えさせるために、おこづかい制を導入しましょう。
定額のお金をおこづかいとして与え、管理はおこづかい帳をつけさせるようにします。
おこづかい帳にはいくらもらって、いくら使ったか、どれだけ残っているのか記録させましょう。
使ったお金について、自己評価させるのも大切です。買ってよかったものは〇、ダメだったのは×とつけさせるとお金の使い方について真剣に考えられるようになります。
前月のおこづかいの使い方を見て、親としてアドバイスしてあげたり、問題点について話し合ってみたりしてもいいでしょう。
もしも、おこづかい帳の収支があわなかったら、残ったおこづかいを没収するペナルティを設けるのも効果的。
これによりまめにおこづかい帳をつけるようになり、ガマンすることを覚えるようになります。
お年玉の使い方
お年玉はおこづかいより高額です。これで何をしたいのか親子で一緒に考えてみましょう。欲しいものがあれば買ってもいいですし、今後を考え貯金に回してもいいのです。
お年玉で買うものは男女ともにおもちゃやゲームがほとんどだそうです。おこづかいだけではなかなか買えないためだとか。
お年玉は使い切っても家族の生活に支障はありません。使い切って失敗させることも学びとなります。
子どもが後悔したら、次はどうすればいいのかまた一緒に考えてみましょう。
子どもにとってお金はよく考えて使わないといけないという考え方を身につけられるようにしたいものです。
報酬をもらう体験
お金の使い方だけではありません。お金は働いて得るということを教えるのも大切です。
子どもには報酬を得るための体験をさせましょう。
未就学児ならお手伝いをしたらおはじき〇個というように、お買い物ごっことセットでやるとお金を使うこと、お金を稼ぐことを学ぶ機会になります。
小学生以上は、お手伝いの報酬としてのおこづかいを導入してもいいでしょう。
ただし、お手伝いをすれば必ずお金がもらえると思い込んでしまう恐れがあります。
お手伝いの報酬としておこづかいを渡す場合、目的と金額、期間を約束しておくことをおすすめします。
なぜそれが欲しいのかプレゼンさせる
欲しいものがあればプレゼンさせるルールもいいでしょう。
子どもが欲しいものがある場合「どうして必要なのか」「本人の何に貢献させる出費なのか」を本人に考えさせて、家族の前でプレゼンさせます。
皆が納得すればOK、納得しなければNGにすると、子どもは欲しいもののために必死に考えるでしょうし、苦労して手に入れたものですから大事に使うようになるはずです。
そして、論理力が養われ、交渉して勝ち取る疑似体験ができます。
スマホが欲しいといってきたら、どうしてスマホが欲しいのかだけではなく、スマホを持つことで起こり得る危険をあげて、その危険を防ぐためのルールをプレゼンしてもらうのもありです。
親の心得
子どもは無駄遣いをすることもあるでしょうし、無計画に使っておこづかいがなくなることもあります。
金銭教育で大事なことは、お金の使い方について叱ってはいけません。叱られると親の顔色を見てお金を使うようになります。
そうなっては子どもが自分で考えてお金を使うための金銭教育なのに意味がありません。
大人になってからお金の失敗は取り返すのに大変ですが、子どものうちは大した金額ではないので失敗できるうちに失敗させましょう。
子どもは成長していくとおこづかいと自分の価値を考えるようになります。高校生になっても小学生からおこづかいの金額が変わらないと信用されていないと感じてしまうかもしれません。
子どもの価値観や成長具合によって金額をアップさせるのもいいですし、子どもとよく話しあって納得できる金額にするのもいいでしょう。
金銭教育は、現代社会を生きる上で大切なことです。
日本の景気が良い時代は働ければ、働くほど収入に返ってきました。老後も年金や退職金がもらえ、生活に困ることはありません。
しかし、不景気が長く続き、社会も変わってきました。人生にかかるお金は国や会社任せではなく自分で管理する必要があります。
そんな時代だからこそ、子どもにはしっかりとした金銭感覚を身につけさせてあげる必要があるのです。
子どもが将来、お金で苦労しないように健全な金銭感覚を身につけるため、お買い物ごっこから始めてはいかがでしょうか。